シャンバラの理念(3)
勇者の道に至る鍵となるものが幾つか存在する。それらをひとつひとつ読み進めていくうちに「勇者」とは? なんなのかわかるのかもしれない。
「シャンバラの理念」の最初の原理とは、ありのままの自分を恐れないということだ。実のところ、自分自身を恐れないということ、それが勇敢さの定義なのだ。
シャンバラの考えは利己主義の対極にある、と著者はいう。
自分自身を恐れていると、世界が自分を絶えず脅かそうとするように思えてきて、自分自身を身構えてしまうのだという。利己主義は、自分自身を恐れる結果、相手を疑い、仲間を疑い、自分が殺されるのではないかと思って、利己的になってしまうのだ。それは、多くの人たちが、自分の国を武装しなければ、相手国から簡単に攻めいれられると思ってしまう人間の性質に行き当たる。
かつてのインドではそういうことが起こった。非武装をし、女性的な受身の性質を備えた国が、男性的な攻撃力のある国に、たやすく占領され、支配されてきたということは、どの国も、武装しなければやられると思っているのだ。しかし、そういうことを際限なく続けていけば、世界は決して良くならないし、安心して住める場所などそのうちどこにもなくなってしまう。それは六道のなかの阿修羅の世界にずっと住み続けるのと同じこと。利己主義は、決して住み良い世界を形成しないばかりか、護身のためにナイフか拳銃をいつも持ち歩いていなければならなくなってしまうのではないか? 周りの人たちが自分の食料や持ち物を摂られるか、殺すか、強姦されるか、絶えず心配しながら、人は神経症にかかってしまうのだろうか。現代は、まさにそのような時代の流れのなかにいるのではないか。
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