恋ごころ(2)
他人を愛するということの一番のレッスンは、恋愛だと思います。人は誰かを好きになるとき、単に生理的な吸引力だけではなく、理由のない相手の魅力に惹かれるのだと思います。それは突き詰めれば、ちゃんとした生物学的な理由、心理学的な理由があるのだろう。
しかし、それらは私たちに恋愛のきっかけを提供してくれる。
恋愛のもたらすものは理不尽である。結婚と違って単に経済力があるとか、身長が高いとか、それだけの条件で相手を選ぶということがない。また、そういったものは恋愛には必要ない。恋愛が、結婚に結びつくのであれはなおいいのだろう。
恋愛が、その人にもたらすものの最大の恩恵は、それによって無償の愛の入り口となることであると言える。どんなに自分と趣味が異なっても、性格が異なっても、嫌なところがあっても、その人に惚れたという現実が、彼を、彼女を無償の、見返りのない愛情を生む下地となっている。ひとを好きになるということはそういうことである。
もし、一人のひとに、普通だったら「あんなにまで尽くしてバカみたい」と傍から思われても、それをすることが真実の愛とは何なのかを知る手がかりになる。
一人の彼、ひとりの彼女を心底から愛するための糸口が恋愛である。もし、人が一生の間にたった一人でも無償の愛で尽くすことができなければ、人は他の誰をも愛することはできない。そのとき人は、単に自分のための見返りを期待する愛情しか知らないままである。
たとえ、人類愛に目覚めたひとでも、最初は一人のひとを心から愛することから出発していたのではないだろうか?
恋すること、それこそ、人が無償の愛を知る糸口であり、それを知らずして人生に意味はない。
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