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2011年9月10日 (土)

ふりむいた風(2)

ある日高校に、転校生がやってきた。南条君という、その子はいつも桃子に視線を投げかけていた。

高校で学園祭のあった日、南条君が落とした定期券を拾った桃子が、彼の家に届けに行ったときに、突然めまいに襲われて倒れ込む南条君。医者から手当を受けたベッドに横たわっているとき、桃子は彼の腕にやけどの跡があるのを見て、ふと、K君のことを思い出し、胸が温かく九なるのだった。

幼いころ楽しく遊んだ記憶が甦った桃子は、いつしかそれが初恋だったことを知る。初恋の相手が突然現れて、とまどう桃子の過程が描き出される。二度目の南条君へのお見舞いの帰りがけ、忘れ物を取りに行った時、ドアの向こう越しで、桃子の飲みほしたティー?カップにそっとくちびるをつける南条君。それを見た桃子は彼を意識しだす。

一方で、転校生の南条くん、つまりKくんは子供のころからおじいちゃんと暮らし、母は再婚し、再婚先の子供ばかりをでき愛して、彼のことを顧みることは無かった。そんな彼が唯一愛し愛されたと記憶する小学生時代の桃子に一目会いたくて、目に焼き付けておきたくて、ひとりでこの町に転校してきたのだった。また南条君は、余命の短い命であった。そこで、彼は死ぬ前に是非、初恋の相手、桃子にあっておきたかった。しかし、桃子には君という恋人もいて高校生活を楽しんでいる。

ある日、みんなでピクニックに行くことになった。そこで桃子は南条君が話す思い出の数々が、桃子の知ってるK君との記憶の日々に重なってることに気づく。

桃子の心の中のモヤモヤが整理できずにいた桃子はボーイフレンドの二の宮くんと付き合うのを断ろうとする。そこで彼から転校生の南条くんが実はあのK君だったことを知る。桃子はKくんに会いに行ったが彼は自分だと名乗りでなかった。彼はすでに不治の病に侵されていて、余命がもう尽きかけていた。

南条くんがいよいよ亡くなろうとするとき、桃子は二の宮と一緒に彼の元に会いに行く。しかし、悪天候で、列車が立ち往生し、途中の駅から電話をかける。そこでK君は桃子と思い出を語り合う。

桃子が、

「Kくんそのあとねみんながひやかしたの。Kくんを好きだったんだろうって。ほんとよKくんあなたが大好きだった。とても大好きだったのよKくん、‥‥Kくん?Kくん!Kくん!Kくん!  好きよ!大好きなのよ!Kくん!‥」

Kくんは息をひきとった。

最後に恋人の二の宮君を振り切ってまで、大切なK君の想いでのノートを抱きかかえてその場を立ち去る桃子。付き人の「これからは思い出してやってください。彼はあなたの思い出の中でしか生きることはできないのですから」の言葉に桃子は顔をこわばらせるのだった。

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