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2011年9月 3日 (土)

ふりむいた風(1)

これは美内すずえ先生が昭和48年6月刊セブンティーンで発表した作品です。

プロローグで始まる一文は主人公桃子の部屋?の開け放たれた窓に風がゆるやかに入ってくる光景から始まる。

風は

いってしまった風は

もう2度ともどってきはしない

耳もとをとおりすぎたときの

髪を誘ったときの

あの涼しくてさわやかな感じは

いつまでも

残るのに

それがたとえ

どんなに昔でも

記憶の扉を

開きさえすれば

いつでもあの感じは

よみがえってくるのに

それなのに風は

空にまぎれて

2度と

帰ってきはしない

主人公の桃子は、高校生になって、ボーイフレンドの二の宮君と付き合って楽しい生活を送っていた。

ある日部屋の掃除をしていたら、一冊の古いノートが落ちてそれを拾い上げて読んだ。それは借りたままのK君のノートだった。そこには、小学校のころ、自分を励ましていたK君との思い出が甦っていた。K君は家が貧しくて、あばれんぼうで、友達もできず、一人孤独だった。そんな彼に桃子は最初は隣の席になったとき、いやで泣いていたが、そのうちにそんなに悪い子ではないと桃子は思った。ある日鉛筆を貸してあげた。K君はそれをきちんと削って桃子に返した。それからK君は次第に桃子にやさしくなった。桃子が熱湯をかぶりそうになったとき、身をていして守ってくれた。

あるとき、K君は家の事情で引っ越すことになった。それまでk君が得意だった折り紙、桃子に色んな折り紙の折り方を教えてはくれなかった折り紙の数々を、桃子の机の上にたくさん置いて去って行った。桃子は、会ってさよならもできずワーワーと泣くばかりだった。桃子はそれから折り紙を折るのが上手くなった。

幼かった頃の記憶が桃子に甦る。

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コメント

在りし日の思い出が蘇ってくるような詩とストーリー

ですね

折り紙の一つひとつに、想いが織り込まれている
のでしょうか


ありがとうございます

投稿: ponsun | 2011年9月 4日 (日) 09時25分

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