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2010年6月 2日 (水)

和尚(5)

彼が人々に投げかけるものは、永遠の今、この瞬間に生きるということであり、あくせくと野心と生存競争に明け暮れる世界から、時間のない世界へいざなうことです。

人々の意識は深いところでつながっており、それは元々ひとつあるということ、そしてそこにこそ永遠の真実が隠されているのだということ。これは光明を得た人物に共通して言えることです。

最近では「さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる:徳間書店刊」という書を出しているエックハルトがそうです。それは教理や信条といったものではなく、人間の本質であり真実であるということです。

全体と離れて生きていると錯覚しているのは人間くらいで、今だかつて命の流れから分離して生きている者など誰もいないということです。

しかし、だからといって何か自分がわかったつもりで、私たちの意識はワンネス、元々一つであると、どうして覚醒していないのに云い切れるものでしょうか? 

和尚は中途半端に霊的な知識を持った状態が危険であると次のように述べています。

「真理に近づけば近づくほど、あなたが道をはずれる可能性は大きくなる。なぜなら真理にちかづくと、あなたは非常に自己中心的になりかねないからだ。「今や私は知っている」、「今や私は確個たる基盤を築いた」と。‥

真理に近づくと、それを人々と分かち合いたいという大きな欲望が湧いてくる。が、あなたは真理を余すところなく体得したわけではない。そして生半可な真理を分かち合うのは危うい。というのも、生半可な真理には強大な力があるので、嘘よりもいっそう危険だからだ。」

このお互いに真理を分かち合いたいという願望が、自分は知ってもいないのに単に聞いて知った知識をひけらかして気分が良くなっているということはよくあります。そしてそれが微妙なエゴの停滞であり、真理を遠いものにしているのです。だからいつも謙虚に知らないことは知らないとはっきり言うことが大切なのです。

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