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2009年7月 4日 (土)

権力志向

 私たちの多くは権力志向である。

なにも権力者に成りたい人だけが権力志向なのではない。というのも、肩書きや権威に弱い人たちも権力者に媚を売っている点では同様であるということだ。

著名人や有名人というだけで、好感を持ったり支持したりするのが良い例である。

元芸能人を政治家に持ち上げようとする国民感情とはとんなものなのだろう。

農耕民族である日本人は、あまり変革を好まない。自民党政権が今まで与党として続いてきたのは国民の保守的な心理傾向が強かったのだろうと思う。

しかし、政治家に成りたがっているタレントになぜ人々は弱いのだろう。なぜ応援してしまうのか。

 真の民主主義は権力国家のもとでは決して成り立たない。私たちは自分たちの手で何かをしなければならない時でも、他の誰かが、頼りになる誰かが「自分たちのためになにかしてくれるだろう」と思い込んでいる。そしてこの他人任せな姿勢がよこしまな権力者を排出し、のさばらせてしまっている。形だけの民主主義の中で国民一人一人が意識を高めないといけない。そうでなければ、この日本国家は衰退の一途をたどってしまうだろう。

政治家の多くは世襲議員でありお金に関してはなに不自由なく育ってきたはずである。そんな人たちに子供の教育を満足にできない親や、介護が困難な見捨てられた老人たち、不景気だといって真っ先に切り捨てられる労働者たちなど、弱者の悲痛な叫びなど果たして理解できるものだろうか? 自分が経験しないことに関しては想像力さえも持ちえない傾向の現代人にあって、政治家はそんな弱者の痛みなど表面的に理解しているだけなのだと思う。テレビなどで自己主張し、パフォーマンスを演じている愚か者は、単に権力者に自分を売り込み、自分も権力者になって自分勝手な自由の世界を思い描いているだけではないのか。

権力を得ようとする者は、それなりの知名度と資金力が必要である。世襲議員は家の資産があり、芸能人には知名度がある。そういう人たちばかりの集まりは、弱者たちの世界観とはまた別次元のユートピアを描いているものだ。格差社会が言われているが、これではますます格差が拡がっていくばかりであると思えるのは私だけであろうか?

あなたはテレビ画面に映る有名人の姿だけを信じて、このひとは良い人だなどとほざいているのか。その人のことを知るには付き合ってみないとわからない。そういうことを考えたこともないのだろうか。他人を評価する見方が表面的な人は、自分自身について掘り下げて考えたこともないのだろう。そういう愚か者の集団であっては、世の中住みにくくなるばかりである。

政治家は、自分を基準にした、自分の描くユートピアの実現のために、法律を変え、自分とよく似た考えの持ち主とけったくする。その人たちも当然お金に困ったことなどないはずである。そして彼らは国民のためといいながら、結局は自分たちの野望と貪欲さのために弱者を犠牲にするのである。

もし、まともな政治家を選ぶのであれば、弱者上がりの人を選ぶことをお勧めする。残念ながら、そのような政治家は少ないし、実際にあまりよく知られていない。そして人気のない政治家ほど、人は疑い、投票などしないのである。

弱者の中からこそ政治家を排出するべきである。そうならない現在の国家の仕組みは、この先も弱者と強い者、勝ち組と負け組を作り続け、ともに共生し、富のバランスのとれた世界はいつまでたってもやってこないだろう。

こんなときこそ、政党を超えて協力しあわなければならないのに、お互いのあげ足を取って批難し合うくだらない政治家のどんなに多いことか。ましてやその人たちが閣僚だったりすると事は深刻です。そんな連中を選んだのは他でもない、私たちなのだ。

「いいえ、私は、俺は誰も選んでなんかないそ゛」という人たち、そう云う君は選ばないことによって、今日の社会情勢に力を貸し、今の政治を認めてしまっていることに他ならない。そのことに早く気づけよ!

国民ひとりひとりの自覚が根本から変わらないといけない。

どうか良識のある人間でいようではないか。

非難ばかりしているあなたたち、他人の批難をする前に、そういう自分はどうなのか?

もっと自分自身と向き合ってほしい。

自分自身と向き合う者だけが、美しく成長できるのだから‥。

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